駒の話シリーズ 15:郷土人形の駒
好評のシリーズ 新春第一弾が、筆者「駒名主」さんから届きました。
郷土人形は佐藤信二氏によると「そのほとんどが江戸時代から明治時代にかけて生まれたもので、江戸、京、大阪などの都会から日本各地の城下町に拡がり、新しい魅力がそなわった人形玩具が作られるようになった」そうである。当初の子供用玩具から、寺院・神社の門前で土地の縁起物として売られたものが信仰に関する郷土人形・玩具として発展した。江戸後期にはコレクターが現れるが、今日でも各地のお土産品として売られている郷土人形のコレクターは多い。コレクターの意図は様々であるが、筆者は馬の玩具で言えば国内は勿論、五大陸各地の馬の玩具を所有している。自宅を厩舎”TAGU”と称している。
写真家である小原直久氏の『野の花と郷土人形三六五日』(佼成出版社)は素敵な文章が添えられた写真集(PHOTO MANDALA)である。1月1日から12月31日までの1年の毎日を野の花と郷土人形で紹介しているが、大変な撮影作業であったろう。365日のうち駒・馬の登場は35日(牛は16日、犬は15日)に及ぶが、どの日を駒の人形にするかなどその採用の意図は不明である。しかし、駒マニアとしては駒・馬の玩具が1年の約12分の一以上を占めるのは大変愉快である。
小原直久氏が選定した駒・馬の35日のどの日かが誕生日の方はハッピーだし、その方が午年生まれであれば一層ハッピーである。
以下は小原直久氏が選定した駒、馬の日と野の花である、花言葉とコメントは筆者。
1月30日:薩摩鈴かけ馬(鹿児島県) 千両(利益)、シダ(愛らしさ、誠実)
霧島市隼人町の鹿児島神宮の初午祭で鈴をつけた馬が跳ね踊る。450年続く伝統行事である。
2月10日:桐原の藁馬(長野県) キンカン(思い出)
桐原牧神社の初午の祭りで売られる、雄馬のシンボルを備えた気品ある風格。
2月15日:因幡木彫り十二支(鳥取県) 梅(独立、忠実)、フキノトウ(愛嬌)
2月21日:中野土人形(長野県) 山芋のからさや(慈愛)、宵待草(忍耐)、
ラベンダー(貴方を待っています)
3月11日:南部古代馬(岩手県) ラッパ水仙(尊敬)
3月13日:岩井温泉木彫十二支(鳥取県) ショウジョウバカマ(希望)
3月29日:水原土人形(新潟県) オキナグサ(何も求めない)
玉乗り馬、サーカスに由来するか。馬乗り鎮台もある。
4月22日:芦屋八さく馬(福岡県) レンゲ(心が安らぐ)
藁馬に紙製の武将が乗っている、福岡県指定の無形民俗文化財。
4月27日:盛岡忍び駒(岩手県) バイモ(威厳)
裸のワラ馬で、昭和41年の年賀切手の図案。
5月13日:南部板馬(岩手県) ゼンマイ(夢想)、紫ゴケ(母性愛)
4輪の車台に乗る馬。
5月14日:仙台木ノ下駒(宮城県) 紫蘭(貴方を忘れない)
この木ノ下駒は八戸市の八幡駒(杉)、郡山市の三春駒(松、朴)と併せて日本三駒と呼ばれている。
5月23日:三春張子の春駒(福島県) アツモリソウ(移り気)
春駒とは竹で作った馬の頭、春駒を持つ張子で高柴張子と呼ばれていた。
5月28日:古賀人形馬乗猿(長崎県) アザミ(権利)
窯元の小川家は創業を文禄(1592)元年としている。馬乗猿の人形は日本のみでなく海外にもある、筆者は古賀人形と中国、印度、モロッコ産の猿乗り馬を蒐集している。
7月2日 :吉良の赤馬(愛知県) コマツナギ(希望をかなえる)
忠臣蔵の主役の一人の吉良上野介が赤馬に乗って領内を巡視に因む。
7月19日:松江飾り馬(島根県) ソクシンラン(純情)
7月24日:三春馬乗り子供(福島県) アカバナ(温和、強調)
地元では三春木馬(きんま)と呼ばれとか、子育て木馬と呼ばれる。
8月5日 :竜仙寺串馬(愛知県) ヤマノイモ(思いやり)
張り子製の紅白一対の首馬である。
8月10日:信濃ワラ馬(長野県) イヌゴマ(善良)
8月22日:盛岡チャグチャグ馬(岩手県) 山百合(純潔)
毎年6月15日、滝沢村の蒼前神社から盛岡市の八幡宮までの15kmをあでやかに飾りつけ、沢山の鈴を付けた100頭の馬が行進する。国の無形民俗文化財であり、日本の風景百選に認定されている。
8月28日:飛騨高山紙張り馬(岐阜県) サワヒヨドリ(ためらい)
昔は絵馬市で紙絵馬を買った際に1枚、2枚でなく1頭、2頭と数えた
9月4日 :弘前馬(青森県) ツリフネソウ(安楽)
9月5日 :鹿沼きびがら十二支(栃木県) ヘクソカズラ(人嫌い)、
アキノタムラソウ(はばかり)
きびがら細工は特産の鹿沼箒から生まれた。
9月11日:南部駒(白)吉沢駒(茶)(岩手県) タムラソウ(遠慮)
9月25日:村松虚空蔵の真弓馬(茨城県) 白萩(物思い)、
オミナエシ(心づきし、はかない恋)
馬の形に杉板を切って、角型の杉板にはめ込んだ立体的な板絵馬
10月30日:古型三春駒(福島県) ワレモコウ(愛慕)
11月2日 :宇佐神宮御神馬(大分県) ホトトギス(永遠)、タマスダレ(汚れなき愛)
白い馬を神馬として飼育していたが、その馬を神馬鈴にしたもの。
11月3日 :三朝温泉豊年馬(鳥取県) センブリ(義侠の愛)
11月8日 :富士土人形馬乗軍人(富山県) 野紺菊(守護)
11月19日:鹿沼麦わら人形(栃木県) 土佐磯菊(清潔さ)
11月26日:救(すぐ)馬渓(まだに)観音宝馬(和歌山県) 竜脳菊(無常の愛)
上富田町の救馬観音の滝の水を飲ませると病の馬が全快したことに因む。
11月30日:気比神社十二支お守り(福井県) キノコ(逞しさ)
末社に渡来の都怒我阿羅斯(つぬがのあらひ)等(と)を祀る角鹿神社がある。
12月4日 :八戸八幡駒(馬)(青森県) ヒイラギ(歓迎、先見の明)
八代将軍吉宗が輸入したペルシャ馬がモデルとされる。
12月15日:弘前土人形(青森県) ディモルフォセカ(元気)
12月19日:盛岡先陣駒(岩手県) 白山茶花(追憶)、紅葉(大切な思い出)
12月28日:那覇チンチン馬(沖縄県) 柿(恵み)、雪柳(静かな思い)、
万両(陰徳、寿ぎ)
琉球王が競馬の儀式に登場する姿を模している。
駒ヶ岳ファンクラブ事務局 komagaku@kih.biglobe.ne.jp
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