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駒の話シリーズ 62:イングランドのホワイトホース(白馬)

  イングランドのホワイトホースと言っても、スコッチウイスキーのことではない。海外の駒ヶ岳、馬ヶ岳を探索中に、イギリス(『大ブリテンと北アイルランドの連合王国』)南部のイングランドに白馬群が居ることを発見した。
白馬群の位置図.JPG

この白馬群はイングランド南部のオックスフォードシャー州の、これまた南部にあたる地域にいる。石灰岩を切りだしたこれらの白い地上絵は、我々駒ヶ岳マニアには雪形に見え、イングランドの駒ヶ岳と命名したい位である。   雪形と誤解するほどだからさぞ高い山に白馬が横たわっていると思われるが、オックスフォードシャー州の最高地点は海抜261mである。オックスフォードと聞けば、私たち日本人のほとんどはオッククスフォード大学を思い起こすが、この大学の設立は1096(平安時代後期)である。また、新石器時代にブリトン人が造った巨石文明の遺跡ストーンヘンジもイングランド南部に点在している。

オックスフォードシャー州は5郡からなり、われらの白馬9頭の所在地はヴェールオヴホワイトホース(かつてはアフィントンホワイトホース)郡である。全37ページの小冊子『White Horses of  Wiltshire & Uffington』はこれらの9ヶ所の馬たちのガイドブックである。

 旧アフィントン郡と言う名称の通り、9ヶ所の馬の元祖はアフィントン馬である。いずれも白亜質の大地を削り、白く馬を浮き立たせている。アフィントン馬の発生は白亜質と言う地質からの推測で3000年前との説も有るが、アビンドン寺院にある「白馬丘が1070年」、「白馬が1190年」と記述された文献が真ともである。白馬の由来は神話のドラゴンを表すと思わせる馬説と、イングランドの先住民のケルト人(紀元前500年頃の移住が最多)の馬女神・エポナ神説の二つがる。
uffington-1.JPG

頭が右、尾が左の馬の寸法は鼻から尾まで111m、口から蹄まで33,5mのアフィントン 馬の眺めは空中からが最高とされるが、見学者は簡単に空中に上がれる分がなく、隣のドラゴン丘からの眺めが良いとされている。今日、アフィントン馬はナショナルトラストによって管理され、チョークや白いポリプロピレンネットで絶えず補修され景観が維持されている。アフィントン馬以外の8頭は意外に小型で、新しくいずれも地表面を削り、白亜質を露出させている。また8頭のうちディーバイジズ以外の馬は左、尾が右のチョーク像であることも共通する。イングランドでは頭が右の馬(アフィントン、ディーバイジズ)は珍しいとされている。

 名称

 開削年

鼻~尾(m)

口~蹄(m)

    備 考

Old Westbury Horse

 1778

   ?

  ?

 

Cherhill Horse

1780

  39

 43

 

New Westbury Horse

 1785

  55,5

 33

古い馬の上に再開削された

Marlborough Horse

 1804

  19

 14,5

 

Alton Barnes Horse

 1812

  55

 22

 

Hackpen Horse

 1838 

  27,5

 27,5

 

Old Devizes Horse

 1845

   ?  

  ?

 

Broad Town Horse

 1864 ?

  24,5

 20

 

New Pewsey Horse

 1937

  29,5

 10,5

元の馬は1785年に開削

Devizes Horse

 1999

   ?

  ? 

新しい世紀を記念して

altonbarnes.JPG
broadtown.JPG
cherhill.JPG
devizes.JPG
hackpen.JPG
marlborough.JPG
pewsey.JPG
westbury.JPG


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